「陰陽五行論」とする考え方もありますが、ここではあえて「陰陽論」と「五行論」とにわけます。
まず「陰陽論」についてです。
その前に、「気」というものを知っておかなければなりません。

「気」は宇宙の根源的なエネルギーとして考えられます。
ですから日本人は古来から「お元気ですか!?」と挨拶します。
これは、「宇宙の万物生成の根源である”気”とともに存在していますか!?」と問いかけているのです。
天地万物の成り立ちとして宇宙の中からまず「気」が生じます。
その「気」の中で、清軽な気(陽)が天に行き、重濁な気(陰)が地に行く。
そして四季が生じ、人を含めた万物が生じる、という考え方です。
ですから、東洋医学では人間も宇宙・自然の中の一部であるということになります。
鍼灸治療で患者さんの脈を診るのも季節と照らし合わせることが基本となります。

つまり、
天人合一の思想…人の生命現象を大宇宙の一環として捉える
人体現象と天体現象は相応しているという考え方
天地人三才思想…天の(陽)気と地の(陰)気が調和することによって人の気が生成するという考え方
が大きな基本となっています。

更に、
人の生命の成り立ち
・両親から受けた「陽(父)」と「陰(母)」の精気が合する。ここから、一つの生命が始まる。
・生後、呼吸や日光浴、飲食物から、天の陽気と地の陰気を取り入れる。
ということになります。
宇宙が生まれ発展するのも陰陽の力であり、
人が生まれ育つのも陰陽の力である、ということです。

ところで、陰陽の属性は、絶対的なものではなく、相対的なものと捉えます。
一般的に積極的、外交的、上昇性、温熱的、明瞭など→「陽」
静止的、内向的、下降性、寒冷的、暗いなど→「陰」
例えば、
陽:太陽、火、男、熱
陰:月、水、女、冷え
といった感じです。
これはあくまでも性質を陰陽でわけて把握するということですので、優劣ではありません。
物事の捉え方であり、理解の仕方です。

また、陰陽については下記のような特徴があります。
①陰陽可分
全ての事物は陰陽に分けることができ、更に陰陽に分けることができる。
②陰陽の対立と制約
全ての面において陰陽は対立した側面を持つ。
また「陰」は「陽」の亢進を制約し、「陽」は「陰」の亢進を制約して、
陰陽の偏った盛衰を矯正している。
③陰陽の相互依存
単独で存在することはできず、相手の存在によって自分の存在が成り立つ。
④陰陽の消長平衡
陰陽は絶えず「陰消陽長」「陽消陰長」の運動変化の状態にある。

この陰陽のバランスが崩れた状態が病気の状態と考えます。
陰が多すぎる、陽が多すぎる、陰が不足している、陽が不足している、ということになります。
陰陽1

季節も陽と陰お互いに増えたり減ったりして変化していきます。
温かくなれば陰が減って陽が増えていますし、涼しくなってくれば陽が減り陰が増えているということになります。
(あくまでも相対的にですが。)

陰陽2

そして季節は永遠にめぐり続けるわけです。
陰陽3

この季節の変化についていけないと病気になりますし、
偏った食事が続いたりして体内での陰陽バランスが崩れるとまた病気になるということです。
鍼灸治療は臓腑や気血などにも陰陽があると考えているので、
それらのバランスをとるように治療していきます。
そして、食品や調理の仕方、食事の方法にも陰陽があるという考え方のもとに作られたのがマクロビオテックということです。

こちらのページも参考にしてください。

避けて通れない「陰陽論と五行論」(2)

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