「筋膜リリース」とか「筋膜はがし」という言葉が話題のようです。
筋膜とは何でしょうか
筋肉は筋膜という薄い組織に包まれています。
また筋膜に包まれた筋肉は、更に束になって筋膜に包まれて存在しています。
・筋全体を覆っている最外層の筋外膜
・筋線維を束ねて覆っている筋周膜
・筋線維1本1本を包む筋内膜
これらの筋膜は柔らかい組織ですが、縮んだままで戻りにくくなったりくっついたままで滑りが悪くなり戻りにくくなったりする特徴があります。
そういった筋膜の委縮や癒着が時に凝りや痛みを発生させ、筋肉の柔軟性を損なう原因になるとされています。
筋筋膜性疼痛はこの筋膜がスムーズに動かないことが原因だとされています。
筋膜リリースとは
筋膜を柔らかくし滑りを良くして、解きほぐすことを「筋膜リリース」とか「筋膜はがし」と言われています。
筋膜リリースとは、筋膜の委縮・癒着を引き剥がしたり、引き離したり、こすったりすることで、正常な状態に戻すことを言い、それを行うことで、筋肉の柔軟性を引き出し、関節の可動域を拡大するとされています。
しかしながら、手指で筋膜を動かすことは非常に高度な技術が必要で、その技術を習得するにも時間がかかります。
そして、筋自体に柔軟性が戻ったとしても、筋膜に柔軟性がなければ再び筋や筋膜が萎縮してしまいます。
医師は注射で治す!?
腰痛治療のために首に生理食塩水を注射する医師の番組を見たことがあります。
超音波を使った診断装置で筋膜の萎縮や癒着をしているところを探し出し、その部位に生理食塩水を注射していました。
首から腰までに「最長筋」という身体で一番長い筋肉があるのですが、この最長筋の筋膜に萎縮・癒着が起きてしまうと、首や腰に凝りや痛みを生じるので、生理食塩水を注入することで筋膜リリースを実現しようという考え方です。
鍼が一番有効!?
手指を使って丁寧にマッサージしたり筋肉を動かそうとしてもそう簡単にはいきません。
しかしながら、“ここ!”というところに鍼を打つと、フッと筋肉の緊張が緩みます。
先ほど医師は注射器に生理食塩水を入れて注射する要領で筋膜リリースを行っていましたが、私たち鍼灸師は注射針よりも細い鍼灸治療用の鍼で筋膜リリースを行うことができます。
肩こりや腰痛に鍼灸治療が有効な所以だと思います。
ただし根本から肩こりや腰痛を治そうと思うとその根本原因を探し出し治療する必要があります。
手足のツボに鍼を打つだけで腰の緊張が緩んで楽になることもしばしばあるからです。
それから、注射針は鍼灸治療用の鍼に比べると太いので、痛いと思います。
インフルエンザの注射でも痛いと思われた方は多いのではないでしょうか。
鍼灸治療用の鍼は髪の毛くらいの太さしかありませんから、鍼を打ってもほとんどわからないくらいです。(一般的な注射針の外径は0.4ミリですが、鍼灸治療用の鍼は外径が0.14ミリです)
肩こりや腰痛が、どこに行っても楽にならないと思われる方はぜひ鍼灸治療をお試しください。
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整体指圧マッサージの他、主に鍼灸治療を行なっています。
【参考資料】
解剖学アトラス 大型本 – 1990/9
Kahle (著), Leonhardt (著), Platzer (著), 越智 淳三 (翻訳)