２０代の女性の方で、仕事の終わり際に胸と背骨が痛み、呼吸困難に陥り、体を動かすことも大変苦痛で・・・という状態になられて来院されました。
整形外科では原因不明だと言われた
患者さんの症状は、
・胸の痛み
・背中の痛み
・痛みが酷く体を動かしにくい
・呼吸も浅いので大きな声を出せない
・笑うと痛みが走るので冗談も言えない
といったところでした。
近所の整形外科でレントゲン撮影をしてもらったのですが、骨には異常が無かった上に、肺も奇麗だったそうです。
交通事故などのケガではないかと言われたそうですが、そういうことは無いと伝えたそうで、結局原因不明だということでした。
骨折でも気胸でもないという診断結果で、ロキソニンという痛み止めの湿布薬だけ処方されて帰宅されましたが、痛みは治まらず、呼吸困難のままで当院に来られました。
夜中も痛みと呼吸困難でうなされていたそうです。
しかも寝返りを打とうとすると痛いので、辛かったとおっしゃってました。
Yahoo!知恵袋などインターネットで同じような症状について調べてみても、原因と思えるものは見当たらなかったそうです。
※気胸：肺に穴が開いて萎んでしまい、呼吸困難になる症状
原因は冷え
まず疑ったのは冷えです。
もちろん、胸の痛みや背中の痛みの原因はさまざまです。
たとえば、
・事故や咳・くしゃみによる肋骨骨折
・ヘルペスウィルスによる帯状疱疹
・肋間神経痛
・気胸
・心筋梗塞
・大動脈瘤解離
・胸膜炎
などです。
しかし胸の痛みと呼吸困難があるとしても、ある程度歩いたり会話することが出来ていますし、レントゲン撮影の結果でも骨や肺には問題がなく、体表（皮膚の表面）にも湿疹などは見られませんでした。
胸膜炎であれば発熱していますが、それはありませんでした。
ですから患者さんご本人がおっしゃっているように事故による骨折でもありませんし、気胸でもなければ帯状疱疹でもないと思われました。
肋間神経痛であればしばらくすると治まるのですが、この方の症状の場合発症してから3日間も同じ痛みが続いています。
心筋梗塞などであれば心電図をとる必要があります。
もし私の治療で痛みが取れなければ循環器科を始めとする病院をお勧めします。
手足のツボで8割楽に
痛むところが少陰腎経、太陽膀胱経など、背部では身柱や厥陰兪、心兪などで、腹部の筋緊張が強く圧痛もありました。
それで原因は「冷え」だろうと考えました。
手足のツボに鍼を打つと8割位痛みが治まり呼吸が楽に吸えるようになりました。
腹部の緊張を取ることと腎経の気の流れを整え、痛み止めのツボと筋緊張を緩和するツボを併用し、免疫系等の調整も同時に行いました。
背中も最低限度のツボに鍼を打ち、最後は丁寧に優しくマッサージをして治療を終えました。
Yahoo!知恵袋を見ていると同じような症状で困っている人がいっぱいいるんじゃないかと話をされていましたが、そうかもしれません。
ベッドから起き上がる時に「楽に体が起こせる！」「大きな声が出せるし息が吸える！！」とにこやかに帰っていかれました。
仕事柄体が冷えやすくなっているのが原因だと思われたので、半身浴と体を暖めるような食事の相談をしました。
胸や背中が痛み、病院での検査でも原因が不明の場合は鍼灸治療をお試しください。
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