2015年6月20日(土)のYahoo!ニュース(毎日新聞)にあった記事です。
<鎮痛薬が効かない>第三の頭痛とは
6月20日付けのYahoo!ニュース(毎日新聞)に、鎮痛薬が効かない第三の頭痛があるという記事がありました。
一般的な頭痛には「緊張性頭痛」や「偏頭痛」があり、「緊張性頭痛」は頭部の周囲を囲むように頭が締めつけられるような頭痛で、「偏頭痛」は頭の片方だけが痛むものです。
この記事では一番の原因を「姿勢の悪さ」だとしています。姿勢が原因とする治療家は多いですね。
次に精神的なストレスで、三つ目が天候だとしています。
雨が降る前日に頭の後頭部にある「大後頭神経」が痛むのだとか。そして雨が降ると治まる書かれています。
普通の消炎鎮痛薬が効かないそうで、三叉神経痛の特効薬を使うか、局所麻酔薬による神経ブロックを使うそうです。
あるいは神経の興奮を抑えるために指で押す(これは指圧ですね)か、或は湿布薬を小さく切って貼ると良いそうです。
(これって普通の消炎鎮痛薬じゃないのでしょうか・・・)
鍼灸治療では経絡上の症状と捉えます
大後頭神経の通っている箇所の治療に適した経穴(ツボ)としては、教科書的には「天柱」、臨床的には小後頭神経に関連する「風池」や「完骨」、「天柱」の上にあるとされる「上天柱」が該当します。
「天柱」という経穴は太陽膀胱経にあります。膀胱経は体が吸収したり自らが作り出した水をどこに配分していくかという役割を担っています。
ですから配分がうまくいかないと、その箇所に熱がこもることになり、腰や背中、肩に硬結ができて痛みが出たりするというわけです。
三叉神経痛で有名な三叉神経の第一枝を「眼窩上神経(がんかじょうしんけい)」と呼ぶことがあるのですが、この通り道にあるのがやはり胆経の「陽白」「頭臨泣」「目窓」といった経穴です。
そして後頭部の「風池」を通った後に肩の「肩井」にまで繋がっています。
だいたい頭痛がある人は肩こりを患っていることが多いので、胆経上に痛みが出てもおかしくないのです。
西洋医学的にストレスと言われても漠然としています。
ところが、東洋医学的に考えると、目を使う→肝は目を主る=肝の酷使→胆へ熱が波及→胆経状に症状が現れる、となります。
また、ストレスに対して一番頑張るところは肝です。東洋医学において「肝」は、その働きから「将軍の官」といわれるように、免疫も含めて外的から自己を守る働きをしていると考えられています。ですからストレスがかかったりウィルスや細菌の感染が起こり肝の熱が強くなると、胆に波及して胆経上に症状が出てくるわけです。
特に「風池」は熱がこもりやすいところと考えられていますので、目の酷使や頭脳労働だけでなく、ストレスが多いと「風池」が硬くなってきます。
天候が悪くなった時は或は気温が下がり湿度があがります。すると体温を上げるために肝経胆経が頑張り、水を捌こうとして膀胱経が頑張ることになります。
先に述べたように、水をうまく捌くことが出来ないとその箇所に熱がこもり硬結が現れることになり、後頭部に筋肉の緊張として症状が出て頭痛になります。
右の肩こり、左の肩こりでも書きましたが、右側は肝胆の熱や水不足で肩がこりますし、左側は食べ過ぎ飲み過ぎや不規則な食事時間等で起こります。
ですから目の奥の痛みがある場合は、仕事のストレスなのか食事の問題なのかを考えると分かりやすいと思います。
そうなると、肩こりがひどい人は胆経の「肩井」からの流れで「天柱」や「風池」に圧痛が出てもおかしくないというわけです。
こういった頭痛が起こっている時は全身治療をして、局所治療として後頭部の経穴に鍼を打てばすぐに楽になります。
何度も書いていますが、肩だけ治療したり頭だけ治療しても一時的なもので根本解決しません。
やはり局所的な「小局治療」ではなく「太極療法」という全身治療が必要です。
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参照元:Yahoo!ニュース