風邪でもないのに咽喉に違和感

風邪をひいたわけでもないのに咽喉に違和感を感じたり不快感を感じることがあります。
東洋医学には、「梅核気(ばいかくき)」という病症で呼ばれます。

梅核気とは

梅干し咽喉から胸にかけて異物感を感じる時があります。昔の人は上手に表現したもので、「梅の種」ほどの大きさのものが何か咽喉に詰まっているように感じる症状です。

西洋医学では、「咽喉頭異常感症」あるいは「ヒステリー球症候群」と呼ばれ、異物感や不快感、咽喉の奥が狭くなったような感じがするのですが、検査をしても異常が見受けられないものです。

東洋医学的には、「肝気」と「痰飲」が互いに結びついたこと(痰気互結)が原因とされています。
※痰飲とは、水湿の邪が体内で長く停滞したことで、凝縮されたものです。

梅核気が起こりやすい人

肝が旺気する春に起こりやすい症状ですが、普段からイライラするような性格で気の流れが悪くなるタイプ(気滞)であったり、よく食べる人や甘いものが好きで脾が弱い人に出やすい症状です。
また冷えに弱い人で熱を作り出すのが苦手な人も出やすい症状です。

精神的な緊張やストレスから肝の疏泄(そせつ)機能失調し、肝気鬱結・肝鬱気滞(肝やその経絡の気が滞っている)が起こり、痰飲の発生して「梅核気」という症状が出るということになります。

肝鬱気滞があるからといって、必ずしも梅核気ができるとは限りません。
普段から津液代謝がよくない、つまりむくみやすいとか、運動不足で気血津液の流れが悪い人、ストレス解消に甘いものを食べ過ぎたとか、お酒や炭酸飲料を飲み過ぎたとか、痰飲がたまりやすくなって、梅核気も出来やすくなります。

鍼灸治療の方針

肝の気を巡らせることや肝熱を抜くこと・冷ますこと、上に昇った気を下へ下げることが基本の治療となります。
脾胃の調節も大切です。
たいていの人は鍼灸治療をして一晩ぐっすり眠れば治まっています。

生活上の注意

日常生活に気をつけて十分な睡眠をとるようにしましょう。
寝不足はよくありません。

ストレス解消にも上手に気分転換をしてください。
軽い散歩や読書、好きな音楽を聴く、友達とバカ話をするなど、なんでも結構です。
出来るだけ一つのことにこだわらない方が良いと思います。

食生活では、刺激物や脂っこい濃厚な食事をなるべく避けてください。
出来れば野菜や海産物、消化の良いもの、和食中心が良いと思います。
肉や油が多い食事を摂ると肝気鬱結しやすくなります。

心と体は一つです

病は気から精神的なストレスから梅核気を初めとする様々な症状や病気が引き起こされます。
「病は気から」と言います。
逆に胃腸の不具合から言葉に出来ない不快感を生じることもあります。

しんどい、つらい、おかしい、と思ったら休む事も大切です。
もし普段からイライラしやすいのであれば、こだわりを捨てることも大切です。
体の声を聞きながらより、良い生活習慣が身に付くように気をつけてください。

また、辛い症状が改善されたとしても、予防するに越したことはありません。
月に一度程度の定期的なメンテナンスをお勧めします。

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