「接骨院と整骨院の違いは?」と患者様から時々質問を受けることがあります。
少し詳しく解説しましたが、御自身の体や健康について勉強して健康な生活を送っていただきたいと思います。
正解は「どちらも同じです。」というのが答えです。
昔はほねつぎと言われていた
詳しい話をすると、昔は「ほねつぎ」と言う看板で仕事をしていた職業です。
第二次世界大戦後は医者不足で整形外科医の不足を補うような形で「ほねつぎ」が活躍していたそうです。
「ほねつぎ」つまり「骨を継ぐ」、いわゆる骨折や脱臼を素手で治してギブスを巻いて固定するのが基本の仕事です。
骨や関節が元通りになってギブスを外した後に、関節や筋肉がこわばって動かすと痛みがきつくて動かせません。
そういう場合に、負傷した箇所に近い筋肉や関節の周りをほぐしたり、関節の運動療法を行なって、負傷前のような生活が出来るようにリハビリを行なっていくのが本来の仕事となります。
病気を治すところではありません。
昔は柔道のある程度の有段者であれば地方自治体の市長や知事の許可があれば開業できた資格でしたが、現在では国家資格となりました。
時々肩こりや腰痛を健康保険で治療できないかという電話がありますが、スポーツによるケガや自宅でのケガによる捻挫や肉離れ、骨折・脱臼でなければ健康保険は適用できません。
健康保険であんまやマッサージを行なうと違法なのです。
柔道整復師という国家資格
現在では「柔道整復師」という資格名です。
骨折、脱臼だけではなく捻挫、打撲、肉離れも扱う事ができますが、基本的には医師の同意が必要で、緊急時には骨折・脱臼を「整復=本来の位置に戻す」をしてよいことになっています。
柔道整復師という国家資格は、最低3年間専門学校に通うか専門の大学4年間、解剖学や生理学、整復学などの講義と実技の講習を受け、最終的に国家試験を受けてパスしなければ手に入らない資格です。
小泉政権の時に規制緩和政策がとられ、専門学校が増えたたと同時に卒業生が増えて、美容院や歯科医院のように町中に整骨院・接骨院が増えました。
整体とは違います
よく「整体」と字が似通っているので混同されることがありますが、「整体師」という国家資格はなく、民間療法という扱いになっていますし、様々な任意団体が学校やスクール、教室を開いて資格を与えるということをされています。
「整体師」は国家資格ではありませんから、「今から私は整体師です」と名乗れば整体師として仕事をして良い事になっています。
骨折や死亡事故も起きています
本来は他者の体に触れて施術するのですから、国家資格を有しているべきだと思っていますが、取り締まりが面倒なのか、国も地方自治体も野放しになっていて、骨折や死亡事故などがなければ取り締まられることはありません。
自称整体師の人が「ずんずん体操」という名前の療法で開業し、むりやり首を捻ったのが原因か、幼児が多臓器不全をおこし、後に死亡した事故がありましたが、そういうことでも起きなければ取り締まりはされません。
こちらの記事も参考にしてください。
「ずんずん体操施術者の逮捕を受けて、子供のアトピーや喘息について考えてみる」
国会議員が無資格者の施術を受けて肋骨を骨折した事件も起きています。
外山いつき氏のブログ
「整体師は国家資格ではありません」にも書いています。
※外山いつき氏はマッサージ師と整体師を混同されていますが、マッサージ師は本来「あん摩・マッサージ・指圧師」という国家資格です。
クイックマッサージはマスコミが名付けた名称ですし、国家資格を持たない者が看板に「マッサージ」と書くと違法なので、「もみほぐし」とか○○庵などの名称が多く使われています。
余談ですが、「あん摩・マッサージ・指圧師」は国家資格ですので、医師の同意書があれば健康保険を使って訪問マッサージをすることができます。
整体師やカイロプラクターには出来ない仕事ということになります。
もちろん、鍼灸師も国家資格ですから、医師の同意書があれば健康保険を使って訪問鍼灸をすることが可能です。
自分で情報を探す時代
今まではテレビや新聞で情報を与えられる一方であまり考えずに済みましたが、これからは自分で情報を探し集めて判断しなければならない時代になったと思います。
どうか自分の体や健康に関する情報は、自分で探し集めて判断してください。
医師も色々ですし、治療家も様々です。
皆さんが健康に過ごせるように祈ってやみません。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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