ある女性の患者さんが便秘がひどいからとセンナ茶を飲んでいたそうです。
ところがセンナ茶を飲んで便意を感じてトイレに行くと、そこで気を失ったということでした。

センナは漢方薬ではありません

センナセンナはバラ目マメ科センナ属です。生薬名としては本種の小葉の部分を言います。
ヨーロッパでハーブとして使われてきたもので、漢方薬ではありません。
日本ではセンナの果実・小葉・葉柄・葉軸は医薬品として取り扱われていて使用には制限があります。

センノシド

センナに含まれる「センノシド」という成分が、腸内の働きを活発にしたりする働きがあるようです。
センナの葉や実には「センノシド」と言う排便作用や嚥下作用のある成分が含まれています。

センナ特有の物質で強い効果から、日本ではセンノシドは薬事法で使用の制限があります。
下剤効果があり、便秘解消の為の便秘薬に利用されることが多いようです。
よくわかる事例が胃のレントゲン検査の後に、検査前に飲んだバリウムを排泄する時の薬剤に使われています。

副作用について

副作用について調べてみると、ざっと以下の通りです。
•長期服用により体が慣れてしまい、大腸の動きを弱めて便秘が悪化する。
•大腸内粘膜の色素沈着がある。(センナの使用をやめれば半年~1年で元に戻るようです。)
•低カリウム血症になり、高血圧、筋力低下、神経機能低下、抑うつ、睡眠障害、ドライスキン、痙攣などを引き起こす危険性がある。
•センナの子宮収縮作用による早産、流産の危険性がある。
•下痢、腹痛、悪心、水分やミネラルを奪う。

キャンドルブッシュにもご注意を

センナ茶以外の便秘を解消するとして売られているお茶の大半は、「キャンドルブッシュ」が含まれているようです。
しかし、キャンドルブッシュが含まれているお茶には激しい利尿作用があります。ヘタをすると脱水症状になりかねません。
また、下剤と同じくセンノシドという成分が含まれているのです
キャンドルブッシュはセンナと同系植物で、別名ハネセンナと呼ばれていますから、おわかりだと思います。

国民生活センターにも注意書きがあります

以下、抜粋です。

 「おなかがスッキリするという植物を含む茶葉を購入し飲んでいたところ、効果があり過ぎる」という健康茶に関する相談が 寄せられたため、原材料表示を確認したところ、医薬品として使用されるセンナの同属植物であり、センナと同様に下剤の作用があるセンノシドという成分が含 まれているとの報告があるキャンドルブッシュ(別名:ゴールデンキャンドル、ハネセンナ、学名:Cassia alata(カッシア・アラタ))が使用さ れており、下剤としての生理作用を及ぼす可能性のある量のセンノシドが含まれていました。
そこで、市販のキャンドルブッシュを使用した健康茶15銘柄を対象に、これらを利用することによって、どれくらいセンノシドを摂取する可能性があるのか、十分な注意表示はあるのか等を調べ、消費者に情報提供することとしました。

国民生活センター「キャンドルブッシュを含む健康茶-下剤成分(センノシド)を含むため過剰摂取に注意-」

薬は毒である

食物アレルギーについて考えるとわかると思いますし、薬には副作用があります。
「薬は毒である」ということを覚えておいて欲しいです。

また、センナ茶を飲んでも下痢を引き起こすかもしれませんが、痩せることはありません。ダイエット・コントロールには効きません。
痩せるには脂肪を燃焼させる=運動することです。
センナ茶を飲んで便が出れば良いですが、ヘタをすると健康を害します。

植物性だからと安心してはいけません。トリカブトも植物ですし、スイセンの葉っぱで食中毒を起こした事件も起きています。
植物だから安全というのは思い込みです。

鍼灸治療にも便秘を解消する方法があります

ただし、体力のあるがっちりとした男性であれば強く便を出す治療は出来ますが、一般的な月経のある女性には使用できません。下手をすると肺がつぶれる危険性や、急激に気血が降りてしまい倒れてしまう危険性があるからです。
一般的な女性で便秘の場合は、胃腸をはじめ内臓の働きを調和させて、大腸を刺激する経穴(ツボ)に施術します。
そして食餌療法や運動療法を併用することで便秘が解消していきます。

生活習慣を見直して便秘を解消して下さい

薬や薬効成分をうたうお茶などを服用するより、繊維質の多い野菜を食べて消化の悪いものを減らし、適度な運動をして腸に刺激を与える方が健康的に便秘を解消できます。
特に糖分の多い菓子類や小麦粉製品をよく食べる人は便秘になりがちです。

どうか無理をなされないように気をつけてください。

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