疳の虫ってご存知ですか?治療には身柱というツボを使うのですが、大人でも身柱に圧痛がある人がいます。
疳の虫(かんのむし)ってご存知ですか?
乳児の疳の虫(かんのむし)は、特に「夜泣き」、「かんしゃく」、「ひきつけ」などを指すとされています。
♫夜泣き、かんむし、困ったな・・・っていう歌を聴いた事がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
日中の刺激が強過ぎると起こすことが多いと言われているようです。
また高カロリーの食事や母乳を摂取すると、小さな赤ちゃんは処理が出来ずに夜泣きやかんしゃくを起こしたりするようです。
赤ちゃんは汗をかくのが上手に出来ないので、高カロリーのものを摂取させるのは控えた方がいいでしょう。
身柱という経穴
身柱(しんちゅう)という経穴(ツボ)があります。
教科書では「しんちゅう」と読みますが、身柱と書いて「ちりけ」と読むこともあります。
胸椎の第三・第四棘突起の間にあります。
私のブログに度々出て来ますが、愛読書の“鍼灸真髄”にはこのように書かれています。
身柱は肺につながっています。そして大腸は肺に属している。それで、身柱が大腸のゆるむのを治す力があることがわかるでしょう。
子どものチリケ(身柱)でなほる。これが大腸へ引きつっているので、腸のゆるむなども、これでなほる。疳病、驚風、虫気なども身柱一穴でなほります。
昔は子どもにこれ(チリケ)へ灸をしたものです。
ほかにも小児喘息の治療にも身柱と沢田流命門を用いて治療した記録があります。
疳の虫だけでなく乳幼児の病気はだいたいこの身柱と命門で治療が出来るということです。
それは大人と違い、乳幼児は代謝能力が高く、自己治癒力も高いからです。
大人の疳の虫
ところで、大人でも身柱に圧痛がある人がいます。
大人でも疳の虫になる!?というわけではありません。
これはイライラした精神状態の反応です。
よく怒る人、短気な人、思い通りにいかなくてイライラした人等によく見られます。
大人しそうな人でも仕事のストレスがあってイライラしても身柱に反応が見られます。
そういうイライラしたりストレスがたまっている方は、「木克土」を自分で引き起こして胃が痛くなったり、胃の不調から頭痛を起こしたり腰背部痛を訴えたり、右肩に凝りを感じていることが多いです。
「木克土」については以前のブログ「避けて通れない「陰陽論と五行論」」をご覧ください。
「木」は「肝」の象徴であり「怒り」と関連しています。
イライラしないように
治療方針は、やはり全身治療をして最後にこの「身柱」の熱を抜くようにします。
しかし、胃腸の働きも整えなければなりませんし、肝の熱も抜いてあげなければいけません。
身柱穴だけ治療しても改善されません。
イライラしなければそれに越したことはありませんし、できるだけ自分の感情をコントロールできるように練習するとか、自分が今どういう感情を感じているか冷静に見つめられる余裕を持てるようにするのが良いです。
また、運動する事で肝の疏泄機能が改善されてイライラがおさまっていきます。
散歩するとかジョギングするとかヨガをするとか、イライラされる方は何かしら運動されると良いでしょう。
怒りは自己破壊を招きます。
気をつけるようにしましょう。
とはいえなかなか難しそうですね・・・。
「何とかしたい!」という方は治療にいらっしゃってください。
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参考文献:沢田流聞書 鍼灸真髄 代田文誌著