仕事柄色々な患者さんに出会うことがあります。
中でも印象的だったのが片麻痺の患者さんたちでした。
「タバコは止めておけよ」
タバコを吸うと癌になるとかいう話は嫌というほど聞かれたと思いますが、タバコの危険性はそれだけではありません。
タバコを吸うと血管が収縮して血液が流れにくくなりますから、血圧が上がります。
その状態のときに血の固まりが血管を塞いでしまうということが起きる事があります。
心臓で血管が詰まれば心筋梗塞ということになります。
心臓の周囲にある血管が詰まることで心臓の筋肉に酸素と栄養が行かなくなり、心臓の筋肉が止まるのです。
脳の血管が詰まれば脳梗塞になります。
脳の血管が詰まることで脳の細胞に酸素と栄養が行かなくなり、脳細胞の機能が止まるのです。
カッとなるのも危険
血中のニコチンは血管壁を傷つけてしまい血の固まり(血栓)を作りやすくします。
また、ニコチンは血管を収縮させたり、カテコールアミンという副腎髄質および体内の神経細胞で生成・合成される神経ホルモンを遊離させる役割をするので、心拍数や血圧が上がりやすくなります。
そして、タバコを吸う時に生まれる一酸化炭素は血液中の酸素を奪ったり、血小板を硬化させたりするので、血液の粘度があがり血栓が出来やすくなります。
何かのきっかけでカッとなる(急に怒る)ということが起きると、血栓が脳血管や心臓の血管を詰まらせてしまうので、とても危険です。
命か片麻痺か
心臓の動きが止まれば命を落とす事になります。
しかし、脳細胞の一部が機能停止すれば、片麻痺になる危険性が高くなります。
命は助かっても、体の半分が動かせなくなります。
言語障害を患う方もいらっしゃいます。
国立循環器病センターのホームページに掲載されいてるグラフです。
「65歳以上の寝たきりの原因」の多くが脳血管疾患です。
今現在、日本の法律では喫煙は20歳以上の成年であれば可能となっています。
20歳以上であればある程度自由に吸ってもいいのですが、命の危険性や体半分が機能しない生涯を送らなければならないかもしれないという危険性を受け入れなければならないでしょう。
私が出会った片麻痺の患者さん達は、皆異口同音に「タバコは止めておけよ」と仰ってました。
自分自身が片麻痺になって初めてタバコは健康に良くないと実感したのでしょう。
命は助かったものの生涯片麻痺のままで生活しなければなりません。
もちろん喫煙者の人が全て脳梗塞や心筋梗塞になるとは限りませんが、タバコを止める事でそのリスクは減ります。
それから、タバコが全ての病気の原因ではなく、食生活や運動不足も大きな影響を与えています。
暴飲暴食や高カロリーなものの過剰摂取、飲酒や長時間労働など、様々な要因が絡みあっていると思います。
禁煙を鍼灸治療で
アメリカでは禁煙を鍼灸治療で行なおうという研究が盛んなようです。
「Center offers acupuncture-based smoking cessation program」
カウンセリングやディスカッション、瞑想などと組み合わせて禁煙していく方法です。
鍼灸治療はタバコを吸うと不味く感じるようにさせて禁煙に導くという感じです。
一方日本ではまだまだ遅れている感が否めません。
鍼灸治療は薬を使わずに禁煙に導く方法なので身体への負担が少なく良い方法だと思います。
最後になりますが、出来る事なら皆さんが喫煙を見直して健康な一生を送られることを願っています。
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