西洋医学における胃と頭は解剖学的には直接繋がっていないので、受け入れがたく思われるかもしれませんが、頭痛、特に額の部分に痛みを覚える方は胃の調子が悪い方が多いです。
ですから、頭痛がするといって頭痛薬や鎮痛剤を飲んで、薬の副作用で胃が荒れた結果さらに頭痛が悪化するという場合が見受けられます。
頭痛がする→薬を飲む→胃が荒れる→頭痛がする・・・という悪循環です。
一方で、東洋医学的には胃と額の部分は経絡で繋がっています。
まず先の図についての説明です。
図をご覧いただくとわかるように、胃の経絡は目の下辺り(承泣穴)から始まって途中で額の横(頭維穴)まで繋がるものと、首から胸・腹部を通って足の人差し指(厲兌穴)までいくものとがあります。
これは「有穴経絡(ゆうけつけいらく)」と呼ばれ、一般的に教科書などで見受けられる経穴経絡図ですが、実は「無穴経絡(むけつけいらく)」といってツボは無いのですが、きちんと経絡で繋がっています。
それを表したのが次の図です。
※鍼灸の世界ではツボのことを経穴と表現します。
この図を見ると分かるように、胃の経絡は額の部分で繋がっています。ですから胃の調子が悪いと額の部分に痛みとして反応が現れるのです。
当院は女性の患者さんが多いのですが、額の頭痛を訴えられて来院される方が時々見受けられます。
問診するとやはり胃の調子が悪い方ばかりです。
頭痛がするからといって頭に鍼を刺せば治るわけではありません。胃の調子を整えるように治療を行うことで、治療が終わった時には頭痛が治まっています。
余談ですが、花粉症や口角炎、慢性鼻炎など顔面部に症状がある方も、こういう経絡の流れから起こる症状で、胃を初めとする内臓の働きを調整しなければ治りません。
後頭部痛や偏頭痛については後日書き改めたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
大阪・明石から電車で30分、神戸市灘区六甲道駅近のリンゴ健康院でした。
指圧マッサージの他、主に鍼灸治療を行なっています。
参考資料:図解 十四経発揮 本間祥白著 発行所:(株)医道の日本社