暦の上ではとっくに春になっていますが、まだまだ朝晩が寒い日が続いています。
春分の頃から患者さんの脈の状態が「春の脈」になっていますから、
人間も自然の一部であるということがよくわかります。

ところが、患者さんの多くは体調を崩されて風邪をひいたり、寝違えを起こしたり、
吐き下しの症状を訴えられる方が多いのです。
春は陽気が多くなる時期で、人間も自然の一部ですから、人体も同様に陽気が活動を始めます。
暦の上でも脈を診ても春であるのにも関わらず朝晩が冷え込んだり、
台風のような風でしかも気温が低いと体の中と外とが合致せず体が不具合を起こして体調不良となります。

また、以前の記事にある五行色体表をご覧頂けるとわかりますが、
春は「肝・胆」の季節です。「五季」に「春」とあります。
更に「五志(五情)」にい「怒」とありますように、
イライラやストレスから守るために働く所ですから、
春にのぼせたり眠れないという方は、肝・胆に気が集中して発散できていないのです。

[五行色体表のページ]

東洋医学の古典には「日の入りとともに寝て、日の出とともに起きるのが良い」と書かれています。
夜更かしをすると頭に血気が偏ったままになり、いつまでも眠れない体になりますし、
例え眠っても眠りが浅い状態が続きます。

春は心身ともに活動的な気持ちと体で過ごすのが春の陽気に合わせた過ごし方です。
体操や30分程度の散歩のような適度な運動をして、心身ともに陽気を動かして全身の気の巡りを良くしてください。
春に活動をしないと、陽気が動かずに沈んだままになり、夏でも汗をかけずむくんだり毒素を汗とともに出せずに皮膚病になったりします。
普段から運動不足だと思われる方はもちろん、そうでない方でも出来るだけ体を動かすようにして、体調を整えるようにしましょう。