日中はまだ少し暑い日差しの日がありますが、朝晩はかなり涼しくなりました。
季節の変わり目に体調不良を訴える方が増えています。
人間の体は体重の60%が水分と言われています。
一方で体の機能を働かせるために一定の体温が必要です。
例えば免疫細胞や消化酵素、胃腸の筋肉や骨格の筋肉、血液やホルモンなどは、一定の体温がなければ適切な働きはできません。
人間の体は自律神経やホルモンなどで全身の働きを調節しています。
ところがエアコンのおかげで汗をかかずにすむ生活が続いたり、
自動車や電車、エスカレーターやエレベーターのおかげで運動しなくてもすむ生活が続いています。
そのおかげで汗をかく事が極端に少なくなり、うまく放熱できません。
体の中に熱がこもる体質へと変化しているのが現代人の特徴です。
しかも、カロリーの多い肉食をしていたり、直ぐにブドウ糖に変わる小麦粉食品や
砂糖そのものを多く摂取しているので、なおさら体内に熱がこもるようになっていきます。
熱の放散がうまくいかない場合に最初に出てくる症状として、頭痛や首の痛み、急な肩こりやぎっくり腰、めまいや動悸、悪寒などです。
他にも暑がりになったり、冷たいものを飲みたくなったり、体温が上がる午後3時~23時頃までは体がだるくなったりします。
熱が体にこもっているせいで、過食に走ったり食べムラや便秘になったりもします。
逆に放熱し過ぎてしまうと、発熱したり尿が出にくいとか、咳が出たり痰がからむという症状が出たりします。
放熱しすぎても放熱できなくても内臓の働きが狂っていき、全身の調和が乱れていって、やがて本当の病気になっていきます。
早めに体調を整えておかないと、冬にかけて冷え性がひどくなったり、春に花粉症などのアレルギー症状が出ることもあります。
秋の養生は大切です。
身体を冷やす食べ物は控える、身体を動かすように心がけるなど、ご自分でできることをしていただければと思います。
鍼灸治療の世界には「未病治」という言葉があります。
「未だ病になっていないものを治しておく」という意味です。
食事に気を配ったり運動したりしてもなかなか調子が良くならないようでしたら、早めにご相談いただければと思います。